2017-10-31

日本人特有の歩き方

日本人は着物文化のためか
”すり足”で歩く方が多いと感じます。

不思議な事は現代人はほぼ
着物を着る機会が少ないにも関わらず
”すり足”で歩く方が多いこと。



私自身は日本舞踊を行っていたので
実際”すり足”で歩く事が多く

”ハイヒールの哲学”を学び
洋服と和服での歩き方の違いを
感じる事も多いものです。



日本舞踊での”すり足”とは
膝を曲げ、腰を入れるという状態で

上半身の軸は動かさず
膝は必ず付けた状態で
全ての動作を行います。


舞踊の振りにもよりますが
振袖は重く
あまり大きく揺らす事は美しくないため

上半身の軸を動かさないように
出した脚と同じ側の手と肩を
肩甲骨、首を使って動きます。



出した脚と同じ側の手と肩を動かすことも
腕ではなく肩甲骨と首を使って動くことも
膝を必ず付けた”すり足”状態で歩くことも

恐らくお着物が着くずれないよう
美しく保つため。



お着物とお洋服では2次元と3次元構造のため
作りが全くの真逆です。

このためお着物でお洋服と同じ歩き方をしては
襟元からすぐに崩れてきてしまうのです。



首をくねくねと動かすような動きに見えますが
これが ”しな(科)” と呼ばれる
日本独特の美しい身振りの表現です。



裾を引くお着物の足さばきは
まさに膝を曲げ、しっかり腰を入れた状態で

”すり足”で弧を描きながら歩かなければ
お着物自体も重いため
裾が纏わりついて美しく歩けません。



あくまでもこれはお着物という
日本文化を纏った時に美しいとされるもの。

不思議な事は現代の日本人は
ほとんどお着物を着ないにも関わらず

歩き方は”すり足”である方が
多いことなのです。




先日のレッスンで
膝下だけで歩く悪い例を学びました。

実際よく見かけます。
内股で、小刻みに
ちょこちょこ歩く若い女性。


”可愛い”文化の影響も大きく
内股気味で歩く方が多いのかと思いますが

膝下だけで歩くと
膝上の筋肉をほとんど全く使いません。



このため、使っている膝下の筋肉だけが
発達してしまい

膝上の筋肉は使わないので
脚全体のバランスが悪くなってしまう事。


またハイヒールを履いて膝下だけで歩くと
膝を曲げなければ歩くことも出来ず

まさに”すり足”になってしまうため
ヒールが床に擦らないように
脚が無意識に弧を描いてしまいます。


ハイヒールを履いて膝を曲げて歩くことは
踵が高くなる分、バランスを取ろうと
頭が前に出て猫背、反り腰になりがちです。


歩いている本人は”可愛い”つもりかもしれません。

でも”美しい”とは程遠い姿です。



日本人としてのDNAが
歩き方に残っているのだと感じつつ

纏うお洋服、お着物に合わせて
それぞれを一番美しく魅せる歩き方
所作を選んでいくこと。

それは、それぞれの特徴を知らなければ
選ぶことすら出来ません。


纏うもののルーツを学び
それぞれの美しさを最大限に引き出すこと。

それこそが、それぞれの美しい文化への
リスペクトではないでしょうか。



日本人としての誇りは持ちつつも
世界的にも高い美意識
美しい文化を持つ日本人として

ハイヒールという美しい芸術品には
決して”すり足”を選ぶべきではありません。



愛と感謝を込めて
camélia Ayako
千葉 ハイヒール camélia Ayako
型をしっかり覚えた後に、型破りになれる。
中村 勘九郎